息子に勉強を教えていて常々感じていることなのですが、
結局、寺子屋方式の勉強法が最強なんだな~。
と思います。
多種多様な形で行われてきたであろう寺子屋ですから
何をもって寺子屋方式とするのかが問題になると思います。
私の思う寺子屋方式の特徴は次の通り。
1・「読み、書き、そろばん」が中核
2・徹底的に手本を読むことで、文の書き方や様々な知識を学ぶ
3・集団授業ではなく、個別に一人ひとりに合わせた手本を与える
江戸時代の儒学者、貝原益軒(大学受験の日本史で出てきたな~。)は
著書、『和俗童子訓』のなかで、
四書を、毎日百字ずつ百回音読して、暗唱し、
空に書き真似をして覚えるのが良い。
字の置き所、助字のある所、昔と変わることなく、
覚え読むべきである。(中略)
四書をそらんじれば、その力で義理に通じ、
もろもろの書物を読むことは簡単になるものである。
また、文章の続き、文字の置き方、助字のある所なども、
よく覚えて理解していれば、
文章を書くのにも助けとなるのである。
と書いています(口語訳済み)。この中で言うところの四書とは、
『論語』や『孟子』、『大学』、『中庸』という儒学書のこと。
もちろん、論語なんて読む必要はありませんが、
これを、中学受験で必要とされるテキストに
置き換えて考えてみてください。
100文字ずつ、100回音読というのは
私的には少し効率が悪い気がするので、
100ページずつ、100日にわたって、
100回音読。慣れれば黙読。
こんな感じになりますね。
例えば、社会で言えば、
メモチェの音読50単元。
見開きで1単元なのでこれで100ページ。
右ページの穴埋め箇所は
正解を埋めておいてくださいね。
これなら1~2カ月で社会の基礎は完成します。
算数も同じ。
毎日50問の問題をくわしい解説ごと音読してしまいましょう。
それをスラスラと文章化できるレベルまで何日も繰り返す。
算数は論理的なつながりがかなりあるので
どの教科よりも、
暗唱しやすいと思います。
以前紹介した、『わんこら式』なんかこのやり方ですね。
予習シリーズの算数5年上下、6年上の3冊の
例題をどんどん音読してしまいましょう。
例題だけを何度も音読するだけなので1冊1~2カ月もあれば
余裕で終わると思います。
これで、入試に必要なパターンは網羅できます。
全ての例題で考えることなく
スラスラと手が動くようになったら
そこで初めて問題演習に進みます。
基礎となる型の練習をしっかり終えた後、
実戦で必要となる臨機応変な戦い方を身に着けるといったところ。
算数は暗記じゃない。思考力の学問だと思っている方多いですよね。
間違っていません。
でも、それは基本的な型の暗記を終えた後でのお話。
基本的な戦いの型も覚えずに、戦場に出されれば、
よほど才能がある者以外は討死します。
当たり前のこと。
少し、話がそれてきたので
寺子屋の話に戻します。
寺子屋では、『論語』や『孟子』の解釈を最初から最後まで
やるなんてことはやってなかったようです。
内容がわかっていようがいまいが、ただひたすら音読。
戦前の外務大臣であった野村吉三郎さんの文章に
「意味も分からぬのに大声を張り上げて素読を丸暗記でやった」
というくだりがあるのですが、
これって結構重要だと思います。
途中、わからないところがあっても
枝葉末節にとらわれず、最後まで通して読むことによって
また、何度も繰り返して読み、暗唱することによって
知識としなさいということなのでしょう。
読書百遍、意自から通ずということわざの通りですね。
最後に明治の文豪、谷崎潤一郎の言葉に
今回のとりとめのない記事の要点が
集約されていますので紹介させていただきますね。
多く読むことも必要でありますが、
無闇に欲張って乱読をせず、
一つのものを繰り返し繰り返し、
暗誦することが出来るくらいに読む。
たまたま意味の分からない個所があっても、
あまりそれにこだわらないで、
漠然と分かった程度にして置いて読む。
そうするうちに次第に感覚が研かれて来て、
名文の味わいが会得されるようになり、
それと同時に、意味の不明であった個所も、
夜がほのぼのと明けるように釈然として来る。
即ち感覚に導かれて、
文章の奥義に悟入するのであります。
なお、今回の記事を書くにあたり
http://www.ondoku.sakura.ne.jp/
の「音読・朗読・表現よみの学校」というHPを大幅に参考にさせていただきましたこと
ここに記させていただきます。
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